「命の丘」に登りたい

視覚障害者の願いに宮崎県港湾事務所が全面協力

出前講座・交流委員会・防災士養成委員会=合同企画

梅雨の合間の6月19日、10名の視覚に障害を持つ方が補助者と共に宮崎港津波避難施設(避難高台)一ツ葉地区の階段を一歩一歩自力で登りきった。

宮崎市の最大津波高(宮崎市白浜地区)は16m、最短津波到達時間は18分と言われる中、県は宮崎港東地区に2基(平成28年10月、平成29年3月完成)そして一ツ葉地区(令和2年9月完成)に避難高台を建設した。今回の一ツ葉地区の避難高台は、最大水位:9.87m、津波浸水想定:+5m〜10m。最短津波到達時間(宮崎市檍地区)約23分、避難者数:3,280人を想定されている。

宮崎市視聴覚障害者福祉会(婦人部)はこの「生命の丘」を実際登り、そのお大きさ、非常用トイレを体現したいと宮崎支部出前講座へ申込をされた。実際は、障害者福祉会の申請、出前講座からの港湾事務所への訴えににより、宮崎県中部港湾事務所のバックアップに依り実現することと成った。

命の丘に登るためには傾斜の有る低めの数十段の階段が存在し、登り上がるのにも一苦労。登れば海からの潮風を全身に浴び、広々とした太平洋の一角や宮崎港の一角も目にすることになるが、視覚に障害の有る方はどの様に感じただろう。

高台には4基のパーゴラ(仕切付災害トイレ施設)が有り、1基ごとに4基のスツール(災害時トイレ)が使用できるように成っている。今回は、トイレ施設のテントなどの組立は出来なかったが、一台のスツールから非常用トイレを体現できた。スツールの側面に有る4本ナットを緩めることに依り、蓋を外してトイレ使用となる。使用に関してはその他の備品が必要に成るのだが、今回はトイレの感触、穴の大きさ、座って見ての感触を経験することと成った。参加者の皆さんは手先にその大きさを感じながら、「冷たいね、冬は寒かろぉー」「座れかなーー」などと口々に感想を述べていた。一人の女性防災士が、手で感触を確かめている障害者の方に丁寧に質問に答え、案内をしている姿が印象的で有った。

7月17日には、今度は二見防災士が講師となって、「障害者と防災について」公演し、避難所内での非常用トイレ、ダンボールベッド等を体現して頂く出前講座も開催される。参加された皆さんからは、「避難先の食料は?」とか多くの問題が現地でも出されたが、次回の出前講座でも多くの質問が出されることが期待される。頑張れ防災士達

今回の企画は、令和2年度の交流員会の避難タワーめぐりの延長線で有り、7月19日の出前講座の前哨戦でも有った。また、令和3年度のに新規加入の皆さんへの1回目の体現ツワーでも有ったのだが、連絡網などの確立不十分なため、案内が出来なかったことが反省点として上げられる。この様な合同企画も機会が有れば実現していきたい。最後にこんな話を・・・「鶴さん!雨天時はどうします?」、鶴事務局長「災害には雨も何も関係ないでしょう!、私達は、行きますよ!」これは一本取られました(^^)

階段を登る
座席を外して
質問は厳しい
ようやく高台へ
スツールからトイレに
宮崎市視覚障害者福祉会事務局長:鶴 氏

熱心に説明に耳を傾ける
防災士の説明にうなずく婦人たち
日頃は休憩所

文責:斉藤

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